人手不足を乗り越える

AIで無人化・自動化・効率化を検証するブログ

TeamViewerを仕事で使って分かったこと:Tailscaleとの役割の違いと上り通信

外出先から自宅のPCの画面を出して、そのまま操作したい場面があります。私はその役をTeamViewerに任せています。便利な道具ですが、使い込むうちに「小さな困りごと」が三つ見つかりました。クリックが効かない、通信が乱れたときに一緒に切れる、常に上り回線を使っている、の三つです。この記事では、それぞれ何が起きたかと、Tailscaleとの役割の違い、上り通信量の測り方、そして仕事で使うときのライセンスの注意点を書きます。

操作パネルにクリックを吸われた

ある事務手続きの作業中、画面の右下にあるボタンを押しても反応しないことがありました。原因は、TeamViewerの操作パネルが右下のボタンの上に重なっていて、クリックがそちらへ吸われていたことでした。画面に映っているものの上に、遠隔ソフト自身の部品が乗っている状態です。

対処は単純で、作業を始める前にパネルを最小化するか、別の場所へ退避させます。私は手順書にもこの一行を書き足しました。画面の端にあるボタンを押す作業(送信、確定、保存など)ほど影響が出やすいので、「押しても反応しない」と感じたら、まず自分の遠隔ソフトの部品が重なっていないかを疑うのが早道です。

通信障害のとき、セッションも一緒に切れた

もう一つは、自宅の通信が不安定になった時間帯の記録です。ある日、別のアプリの接続が途切れた時間帯と重なって、TeamViewerのセッションも切れていました。しかも別のアプリの接続が切れたあたりで再接続の着信があり、その直後にまた乱れが始まる、という並びでした。

そのとき調べたところ、PC自体は普通にWebページを読み込めていて、Wi-Fiが切れたという記録も出ていませんでした。切れていたのは、つなぎっぱなしにしているタイプの接続だけでした。この記録を書いた時点では、自宅側で通信が混み合っているのではないかという見方が有力になっていましたが、それは途中経過の仮説です。原因はまだ確定しておらず、切り分けの試験も残っています。この件をここで断定するつもりはありません。

この記録から私が持ち帰ったのは、原因が何であれ、遠隔で画面を出している間は「自分が回線を使う側」であり、同時に「回線が乱れると真っ先に切れて困る側」でもある、という点です。詳しい切り分けの順序は遠隔操作が重い・つながらないときの切り分けにまとめました。

画面配信は上り通信を使い続ける

画面を見る側(外出先の端末)は、映像を受け取るので下りを使います。一方、映像を送り出す自宅のPC側は、上りを使い続けます。自宅の回線は下りより上りが細いことが多く、ここが混み合う原因になりえます。私のメモには、画面配信で上りを常時1〜5Mbps程度使うと書いてありますが、測定条件までは残っていないので、あくまで目安として扱っています。実際には画面の動きや画質の設定で変わるはずです。

ですから、自宅で同時にほかの通信(大きなファイルの送信、動画会議、クラウドへの同期など)を走らせているときに遠隔接続をすると、お互いに邪魔をしやすくなります。

上り通信量を自分の環境で測る方法

目安を鵜呑みにせず、自分のPCで測るのがいちばん確かです。特別なソフトは要りません。Windowsに入っている道具で見られます。

  1. 遠隔接続をしていない状態で、タスクマネージャーの「パフォーマンス」から使っている回線(Wi-FiまたはEthernet)を開き、「送信」の値を数分ぶん眺めて、普段の上りを把握する
  2. リソースモニターの「ネットワーク」タブで、プロセスごとの送信量を見て、どのソフトが上りを使っているかを確認する
  3. そのうえで遠隔接続を始め、同じ画面で送信の値がどれだけ増えるかを見る。画面をよく動かす操作と、ほとんど動かさない操作の両方で試す
  4. 単位に注意する。回線の速度はbit毎秒(Mbps)で表され、画面によってはバイト毎秒(MB/s)で出るので、8倍の違いがある

これで「遠隔接続中の上りは普段の何倍か」「自宅の回線の上りの上限に近いか」が分かります。上限の側は、ご契約の回線の案内か、速度測定サイトの結果で確認できます。私自身は、この測定を体系的にやり切ったとは言えません。次の機会にきちんと記録を取るつもりです。測って余裕がなければ、はじめて回線側の見直しを考えれば足ります。買い替えや契約変更を先に決める必要はありません。

Tailscaleとの役割の違い

Tailscaleは、外出先の端末と自宅のPCを同じ安全なネットワークの中に置く道具で、それ自体は画面を映しません。Tailscaleだけでは自宅PCの画面は操作できないのです。一方、TeamViewerは画面を映して操作するための道具です。

私が使い分けている二つの道具(2026年9月時点の使い方)
項目TailscaleTeamViewer
役割端末どうしの安全な通り道を作る画面を映して操作する
画面の操作できない(別の道具が要る)できる
上りの使い方通信した分だけ画面を見ている間は常時
私の使い分け状況確認や短い指示画面を見て操作したい場面だけ

状況の確認だけならTailscale経由で足りることが多いので、画面配信をつなぎっぱなしにしないで済みます。画面が必要なときだけTeamViewerを開くようにすれば、画面配信で上りを使い続ける時間は短くできます。

常時接続のアプリが動いている時間帯は切り替えを避けている

常時つながっていることが前提のアプリを動かしている時間帯には、遠隔接続の張り直しや切り替えを避けています。過去の記録では、その時間帯に遠隔接続を切り替えたとき、そのアプリの接続が切れた状況証拠がありました。因果関係が確かめられたわけではありませんが、試すなら該当のアプリが動いていない時間にする、というのが今の運用です。

ライセンスは公式の定義を読んでから

仕事で使うなら、いちばん先に確認しておきたいのがライセンスです。私が確認できた範囲では、TeamViewer公式の「個人利用」の定義は、直接的にも間接的にも料金の支払が発生しない目的での使用、と書かれています。家族や友人間の無報酬の使用が個人利用の例で、顧客が支払いをしてサポートを受ける場合や、給与を受ける従業員が業務の関連で使う場合などは商用利用の例として挙がっていました。Windows Serverで使う場合は、環境を問わず商用として扱われる、という注記もあります。

さらに商用使用が検出されたときの公式ページでは、商用の例として「ホームオフィスから業務用PCへの接続」が挙げられ、商用環境での無償版の利用は検出されて制限されることがある、と説明されています。制限の解除は専用の申請で、確認に72時間ほどかかるとのことです。

「自宅から自宅のPCへ」つなぐだけなら個人利用に見えますが、そのPCで仕事をしている場合にどう判断されるかは、私には断言できません。ここが個人と仕事の境目にあたるので、仕事で使うなら公式に問い合わせるか、有償ライセンスの内容を確認してください。料金の額は、この記事を書いた時点では確認できていないため載せていません。

向いている人と、別の道具のほうがよい場合

画面を見ながらでないと進められない作業(決まった画面での手続き、アプリの設定変更)が外出先で発生する人には向いています。反対に、状況の確認や短い指示だけで済むなら、画面配信は要らないかもしれません。接続先のWindowsがPro以上であれば、標準のリモートデスクトップという選択肢もあります。

今の私の運用は、普段はTailscale、画面が必要なときだけTeamViewer、始める前に操作パネルを最小化する、の三つです。次は、上り通信の測定を実際にやって、数字で残すつもりです。

記事一覧へ戻る